2024年 3月 の投稿一覧

11.グノーブルクラス替えテストがえぐい

過剰な競争社会の弊害が叫ばれ幾月年。

極力順位はつけず、ハラスメントは論外、人の嫌がることは避けて避けてと、躾けられてきた我々ですが、グノーブルさんは華麗にその風潮を無視していて、私としては好感度MAXです。

9歳10歳の幼気な子供に毎月のように定期テスト(以後「グノレブ」と呼ぶ)を課し、クラスのみならず、席順まで順位通り正確に格付けしていきます。息子の校舎は6クラスで、上から順にα、α1、α2、α3、α4、α5と呼ばれています。
αに所属していれば最難関校合格間違いなし、と塾は囁きます。
このシステムはほぼサピックス方式のコピー版とのことですが、初めて聞いたら引きますよね。

ただ、我が家庭としてはですね、競争を煽るその覚悟や良し、とその潔さを高く評価することにしました。

サラリーマンなんて、ちゃんと数字で評価されるのは大体年に1回、それも上司からのぬるい1on1ミーティングでおっかなびっくりとコメントされるだけで、自分の立ち位置を理解できるチャンスはあまり無いのが通常では。

小学生に対して酷だと、色々と批判のあるシステムでしょうが、まあええんちゃいますか。
数字で毎月評価に晒されていると逆にエンターテイメント化してくるものです。
幼さとは恐ろしい。息子は特に違和感なくこのシステムに適応してしまいました。

とりあえずうちの息子はどうやら真ん中あたりのクラスを彷徨う模様。
一番下のクラスにずっと所属しているようであれば転塾か退塾を検討するところでしたが、グノーブルで平均近辺なら実質的に天才と呼んで差し支えない。

もちろん、クラス上下を親が気にしすぎるのは良くないと思います。
私は単なるゲームとして息子と一緒に楽しもうと考えていました。
酷い点を取ってクラスが下がっても気にしない。
ただ、これがちょびっとだけ難しい。
やっぱり、成績は良い方が気分もいいもんね。成績上げたくなるもんね。そして、親から見れば、成績を上げる方法は分かる。単純に勉強量を増やせばいいんですから。現状、宿題は半分もこなせていません。こなす量を増やせば少しは成績が上がるでしょう。息子にあれもやれこれもやれともっと指示すればいいんです。

でも我慢するしかない。

この頃は、ここまで宿題やったのか、すごいな!
こんな点が取れるなんて、すげえ頑張っとるな!
褒める言葉以外思いつかないくらいすごい。
お父ちゃんより全然すごい。
これだけを意識して言い続けていました。

 

ところで息子から色々とヒアリングしてみますと、塾には異能を有する者が何人も存在することが分かります。
毎回算数は満点、しかも国語も社会もできて、常に最上位クラスの最前席。
4年生で既に司馬遼太郎を読み込み、岩石や地層についても豊富な知識を有し、喋りも達者。

あー、東京ってこういう子が普通にいるんだなあ。
こんな子が傍らにいることが、息子にいい影響を及ぼしていくかどうか….

10. グノーブル4年生から難し過ぎ

まあ、聞いてはいたけどさ、4年生からグノーブルは量も質もとてつもないことになっています。

一応自分からやると言って通い始めたので、宿題については最低限のやる気はある模様。
でも、まだ9歳ですもん、やりきれるわけ無い。
授業は週2回、3時間ずつ。他の塾に比べれば1日少ない。けれどその分、宿題は多い。
確か、この頃に渡されていた宿題と、息子の状況は以下のとおり。

算数
N授業→家庭学習用宿題あり→一応やっている(間違えた問題のやり直しは網羅的にできていない)
T授業→問題演習→授業のみで家庭での復習なし
基礎力テスト→毎日の計算練習(10問)→たまにやれていない
計算マスター→週1回の難しい計算練習→ほとんどやれてない
G脳ワークアウト→単元ごとの問題集→まったくやれていない

国語
文章題→授業以上のことやれず
漢字練習→書き取り練習→なんとかやっている
漢字テスト→20問程度→ちゃんとやっている
語句の意味→ことわざや文法を頭に入れる→ときどきやっていない

社会
テキスト→ちゃんと読んでいる
テキスト穴埋め→ちゃんとやっている
テキストを踏まえた問題→ちゃんとやっている
白地図のようなもの→だいたいやっている
コラム→読んでいる模様

理科
テキスト→ちゃんと読んでいる
テキスト復習問題→ちゃんとやっている
応用問題→時間がないと全部できない

 

ちゃんとやれているのは社会だけだな。まあ、社会は一番時間がかからないのだけれど。
算数が全然手が回っていない。
いったいぜんたい、皆さんはどうやってこなしているのでしょうか。

 

9. 志望校について

もちろん、この時点で息子に具体的な志望校などありません。
なんとなくグノーブルがそれなりに楽しくて、勉強していれば親からは文句は言われないから通って見ようか、というくらいかと思います。

私も特に入って欲しい学校はありません。まあ、勉強するうちに息子が気に入って、学力的に彼にとって適切な中学校に進めればいいのかな、というくらいで。
でも、一つだけ譲れない方針がありました。男女共学の学校に入ってほしいんです。

これから息子が生きていく時代は、男性ばかり、女性ばかりという職場は少なくなっていくでしょう。
女性の上司部下、男性の上司部下、どちらであっても同じように協業できるようにならないと、まともなビジネスはできないのではと考えています。異性の友だちと遊ぶことも増えるでしょう。
というか家庭においてだって女性と男性の役割の区分は昭和の頃と比べたら曖昧になってきているし、これからもっと曖昧になっていくと思われます。母親・父親両方の役割について結婚相手と討議しながら自分なりの家庭像を構築していく必要があります。
そのために異性の考え方や協力の仕方を早めに知っておいて欲しい。というか仕事や友達関係については、性の区別の必要がない、という段階まで行って欲しい。
いい大学に入ることよりもその経験を思春期にしておく事の方が大事なんじゃないだろうか。

 

男子校女子校の方が勉学や部活に集中できて結果が出やすい、という研究結果が出ている、なんてこともよく言われます。まあそりゃそうなんじゃないですかね。
でも、異性が気になって成績が落ちたっていいんです。というかむしろそれがいい。

だって大人になったら普通に恋愛しながら、家庭を持ちながら仕事をするでしょう?いや、恋愛や結婚をしない人も増えてるか。でも職場には異性がいることが多いでしょう。思春期の段階からその状態を通常運営としてほしいんです。恋愛をして成績が落ちるようであれば、それこそが学び。異性がいることによりうまく自分を表現できないのであれば、長い人生の様々な局面においても自分を表現できない人間になってしまわないかな。
恋愛や学問や部活を両立できるように自分をチューニングできるようになって欲しい。

というのが私の個人的な希望なのですが、妻は反対してきましたねえ。
妻も同意見だと思っていたのでびっくりしました。妻は筋金入りの男女同権主義者ですから、同じようなロジックを踏むのではと考えていたのです。

東京の私立中学は女子校男子校が多い。難関と言われている学校は特に多い。
進学できるのは共学だけ、と限定してしまったら選択肢が減るじゃない、というのが妻の主張。
まあ、確かにそうなのよね。
偏差値表をまじまじと眺めてみると、上の方に位置している中学は男子校女子校ばかり。御三家とかね。
都内で共学の難関中学となると、数校に限定されてしまうんですよね。

子供の選択肢を増やすための受験なのに、それを減らすなんて!という主張です。

また、これは私の邪推ですが、妻は受験闘争に滾っているので、どうせ闘うなら偏差値表の上の方に攻め込んで行きたいと思っているんですよ。
その気持も分かる。正直分かりすぎるくらいに分かる。

 

でもさ共学で得られる経験って、学校の選択肢の多さよりも、偏差値よりも大切じゃない?

あと、誤解を恐れずに言えば、そもそも学校の選択肢ごとき、減ってもいいんじゃね?
というか、そもそも関東の中学校の選択肢、多すぎ。そして、正直違いがそんなに根本的にあるように思えない。ほとんどがそれなりにちゃんとした学校に見える。田舎育ちの私は実質的な選択肢は数校しかなかった。
また、様々な校風の学校が存在し、その中から選べるのが都内受験のいいところ、ともよく言われます。しかし、校風が合うかどうかなんてのも、正直入ってみなきゃわからないような気がする。子供の気質は第二次性徴前後で随分と変わるし。
私も13歳あたりで随分と変わった。こんなに気持ちの悪いオタク気質になるとは小学生の時は思いもしなかった。

 

以上が私の主張である。
上記の夫婦の意見交換は全て息子の眼の前で行い、全て聞いていてもらいました。
そして、あえて結論は出しませんでした。

 

息子ちゃん、じっと聞いていましたが、さて、どう考えたのか。