2024年 6月 の投稿一覧

13.中学受験に効く漫画(理科)①

どうやったら理科に興味を持たせられるのか。これが問題だ。
銀座のオーセンティックなバーで「マグネシウムが燃えると激しい炎を発して酸化マグネシウムになるんだよ」
なんて事を言ったって、絶対にモテるわけがない。サッカーに打ち込んだり髪の毛にドライヤーでも当ててた方がモテるよね。
理科の知識が将来役に立つよ、って親が言ったって、科学者になんてならないもん、と言われたらおしまい。

モテるかどうか、仕事の役に立つかどうかなんて関係なく、ただただ無意味に自然発生的に科学全般を、おもしれえ、と思って欲しい。これが私の願望でした。そうなったら強い。どう考えてもそういう予感はしますよね。

その鍵は漫画とアニメとSF小説だな、と私は考えていました。

とりあえず、あくまで何気なく、不自然なくらいに自然に、自分で漫画を買って、部屋に置いて自ら楽しそうに読んでる姿をこれみよがしに見せつけてみました。幸いなことに、私は結構オタクなのです。
そういう姿を見せていると子供は自然に手を取るものですね。
色々と買ってみたのですが、息子の胸にストンとハマったのが以下の漫画たちでした。

  • ドクターストーン
    息子のハマり度 5
    中学受験役立ち度 4
    親からの面白さ 3

    皆さんご存知のジャンプ初の科学漫画。3年生になったあたりで全巻買ってみました。
    全ての人類が3700年の間、石化してしまい、現代文明が全て破壊されてしまった世界。石化から目覚めた若い天才科学者が少ない友人たちと協力して現代文明を再構築していくという話。かなりワクワクする設定ですよ。
    そして、話も、まー、よくできてる。抗生物質を再現するところがあるんですが、ちゃんと必要な物質を明示し、物質を入手するところから冒険譚として描いていきます。科学反応プロセスも頭に残るように描いてくれます。ジャンプ漫画らしくバトルもあり、ちゃんと科学を使って戦います(ダイナマイトを発明したり)。
    大人からすると荒唐無稽な話は多いのですが、まあ、ジャンプ漫画ですし。小学生にとっては十分高いレベルの話が多いし、ドランゴンボール後半のような戦闘力勝負のバトル漫画より全然読めるなと思いました(あ、DBファン申し訳ございません)。
    この漫画で確実に息子は理科に興味を持ち始めました。この頃はサルファ剤の合成プロセスを暗記して歌にして歌っていましたよ。すげえ漫画だ。

  • 実験対決
    息子のハマり度 5
    中学受験役立ち度 5
    親からの面白さ 2

    実験対決も素晴らしい。あまり知られていない気がしますが、これはみんな読むべきと思います。女子はハマらないような気もするが、小3か小4男子であれば勧められます。40巻以上あって長いですが(まだ連載中)。
    韓国の漫画で、多くの登場人物の名前は韓国名ですが、ちゃんとセリフもコラムも綺麗に日本語訳されていて読みやすいです。
    正直、ストーリーはドクターストーンと比べても更に少々幼稚であることは否めません。意地悪だったりカッコつけだったりのステレオタイプなキャラクター間との確執や嫉妬といった単純な関係性。ドラえもんの方がもう少し機微が表現されているな、くらいに思いますが、この漫画のすごいところはそんなところではありません。
    ストーリーはスポ根漫画です。小学校に実験クラブ(日本にそんなクラブがある学校は聞いたことがないが)があり、主人公の実験クラブは実績も悪く、解体寸前。そこで猪突猛進な主人公やスカしたイケメンやかわいいヒロインが集まってきて、クラブを再生し、実験対決の全国大会を目指していく!という話です。
    てか、そもそも実験対決ってなに?って話なんですが、実験の良し悪しで他校と争うんです。
    例えば、「雲」というテーマと実験器具が与えられます。両校は器具を使って「雲」についての何かを証明する実験を行います。科学的証明であれば何でもOK。しかし証明する理論が間違っていたらNG。実験過程で下手をうって証明できなくもNG。証明できたとしても実験過程が雑だったり洗練されていなければ減点。実験態度が悪くても減点。

    これらの採点を合計して勝負が決まります。馬鹿なことをやっていると思われた主人公の行動が実は重要な科学的事実を証明していて最終的に勝てた!みたいなドンデン返しも多く、ストーリーとしてちゃんと読めるようになっています。
    実験自体も結構本格派で、しっかりとコラムで実験の詳細や科学的見地も書いてくれています。
    息子は「実験対決読んでたから、Gnobleの理科くらいならそんなに勉強しなくても分かるよ」」と豪語してました(まあこの傲慢な態度も5年の途中くらいまででしたけど)。また、この漫画の影響でサイエンス倶楽部にも通うようになりました。

  • はたらく細胞
    息子のハマり度 4
    中学受験役立ち度 3
    親からの面白さ 3

    細胞やウイルスやがね、キャラ化して頑張るんですよ。ツンデレとか萌えキャラとかが。
    ちゃんと息子はハマっていました。とりあえず人体用語は覚えますね。

12. 我も勉強する

無邪気な小学生の期間を、こんな未曾有の勉強量で埋め尽くすのですから、多くの小学生は勉強が嫌いになってしまうでしょう。
およそ絶対に日常生活で見かけることなど無い珍奇な平面図形の面積を求めている場合じゃない。
そんなことより子供はゲームをする。漫画を読む。公園に行く。そして靴下を失くしてくる。
そういうものだ。

しかし私の野望は、息子が勉強・学問を嫌いにならないようにして、かつ志望校に合格すること。

いやそんな理想論言っちゃって、と経験者からは失笑を買いましたが、やるしかないんですよ。

最初に私が試したことは、「一緒にテキストを読む」こと。
息子が持ち帰ってくる大量のテキストや問題のうち、せめて基本テキストだけは全部読み、なるべく感想を話し合います。
社会はとても楽しく読めます。地理だったら、行ったことのある場所について、この山登った、この魚食べた、この海入った、と親の経験を話すこともできます。これは年の功。結構興味深く聞いてくれるものです。
歴史についてはコメント仕放題です。「出た!平将門!この人の首、飛ぶんだよ」「えwwどこに飛んだのw」「平安京から江戸まで飛んできちゃったんだよ」「まじwwなんでw」「いやあ、よっぽど恨みが深かったんじゃないw」「やべえw」「丸の内に将門の首塚あるから日曜日に見に行こうか」「行く行くwww」
こういう感じで会話をつなげて、土日のレクレーションに自然に持っていければこっちのものです。

理科も面白い。ただ途中から息子の方が内容に詳しくなっていきます。しばらくすると、理科については私が息子に分からないことを質問して、息子の講義を受ける、という形態に変化していきます。このやり取りはとても良かったように思えます。

国語は普通に大人でも楽しめる文章が載っているので、勝手に読んでいました。ただ、物語文の感想について夫婦で語り合っても、だいたい息子はぽかんとしていました。登場人物の感情の移り変わりや関係性に興味が持てないし、よく分からないようです。夫婦で頑張って説明しても、宙空を見ていて明らかにピンと来ていません。
なんで分からないんだろう、と不思議でしたが、これが小学生男子あるあるだと気づくのはもう少し後。

算数はそもそも基本テキストがない。実際に問題を解いてみないと何を学んでいるのか理解不能です。しかしさすがにそんな時間はありませんなあ、という訳で途中から算数については全く付いていくことができなくなりました。そもそもあまり得意じゃないんです。ここは息子任せになりました。
しかし、この対応がそのまま今後の成績に反映されることになっていきます。

こうやっていろいろ共闘しようとしましたが、ああしかし私は結局、息子の無垢な日々を奪っていることの言い訳するために理屈を述べているだけかもしれない。
いくら一緒にテキストを読んでいても、そういう気持ちが無くなることはありませんでした。