12. 我も勉強する

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無邪気な小学生の期間を、こんな未曾有の勉強量で埋め尽くすのですから、多くの小学生は勉強が嫌いになってしまうでしょう。
およそ絶対に日常生活で見かけることなど無い珍奇な平面図形の面積を求めている場合じゃない。
そんなことより子供はゲームをする。漫画を読む。公園に行く。そして靴下を失くしてくる。
そういうものだ。

しかし私の野望は、息子が勉強・学問を嫌いにならないようにして、かつ志望校に合格すること。

いやそんな理想論言っちゃって、と経験者からは失笑を買いましたが、やるしかないんですよ。

最初に私が試したことは、「一緒にテキストを読む」こと。
息子が持ち帰ってくる大量のテキストや問題のうち、せめて基本テキストだけは全部読み、なるべく感想を話し合います。
社会はとても楽しく読めます。地理だったら、行ったことのある場所について、この山登った、この魚食べた、この海入った、と親の経験を話すこともできます。これは年の功。結構興味深く聞いてくれるものです。
歴史についてはコメント仕放題です。「出た!平将門!この人の首、飛ぶんだよ」「えwwどこに飛んだのw」「平安京から江戸まで飛んできちゃったんだよ」「まじwwなんでw」「いやあ、よっぽど恨みが深かったんじゃないw」「やべえw」「丸の内に将門の首塚あるから日曜日に見に行こうか」「行く行くwww」
こういう感じで会話をつなげて、土日のレクレーションに自然に持っていければこっちのものです。

理科も面白い。ただ途中から息子の方が内容に詳しくなっていきます。しばらくすると、理科については私が息子に分からないことを質問して、息子の講義を受ける、という形態に変化していきます。このやり取りはとても良かったように思えます。

国語は普通に大人でも楽しめる文章が載っているので、勝手に読んでいました。ただ、物語文の感想について夫婦で語り合っても、だいたい息子はぽかんとしていました。登場人物の感情の移り変わりや関係性に興味が持てないし、よく分からないようです。夫婦で頑張って説明しても、宙空を見ていて明らかにピンと来ていません。
なんで分からないんだろう、と不思議でしたが、これが小学生男子あるあるだと気づくのはもう少し後。

算数はそもそも基本テキストがない。実際に問題を解いてみないと何を学んでいるのか理解不能です。しかしさすがにそんな時間はありませんなあ、という訳で途中から算数については全く付いていくことができなくなりました。そもそもあまり得意じゃないんです。ここは息子任せになりました。
しかし、この対応がそのまま今後の成績に反映されることになっていきます。

こうやっていろいろ共闘しようとしましたが、ああしかし私は結局、息子の無垢な日々を奪っていることの言い訳するために理屈を述べているだけかもしれない。
いくら一緒にテキストを読んでいても、そういう気持ちが無くなることはありませんでした。

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